手巻き腕時計の使い方
手巻き時計以前
世の中に初めて機械式の時計が登場した時、その動力は「重力」でした。紐や鎖に繋いだ錘(おもり)が下がる力を利用して、時計を動かしていたのです。ヨーロッパの古い町並みで見られる時計塔が高い位置にあるのは、どこからでも見やすいように、という理由に加えて、錘が落ちる距離を稼ぐためでもありました。
手巻きの時計
時計塔の時計から時代は下り、機械式時計はより小さく、よりパーソナルなものになりました。机上で使ったり携帯する時計では錘の仕組みが使えませんので、それにかわってゼンマイが動力として用いられました。ゼンマイを手で巻き上げて、ゼンマイが解ける力で時計を動かす仕組みです。昭和生まれの方であれば、古い手巻きの掛け時計を目にしたことがある方もおられるのではないでしょうか。
何回巻き上げればよい?
腕時計にも手巻きモデルは存在します。現在手に入れられるほとんどの手巻き腕時計が3時位置の竜頭を回すことでゼンマイを巻き上げます。クォーツの腕時計に慣れた人が手巻きの腕時計を初めて手にしたとき、一番悩むのが「何回巻き上げたら良いのかわからない」ことのようです。一体、どれくらい巻き上げるのが良いのでしょうか。
この質問の答えは「モデルによる」と思われがちですが、実はこれに加えて「使う人による」を加えると正確な回答になります。慣れてくれば、ゼンマイがいっぱいまで巻き上がった感覚、いわゆる「巻き止まり」の状態がわかるようになるのですが、腕時計と自分の感覚が一致するまでは大体の目安を知っておきたいものです。
自分の腕時計の巻き上げ回数を知る
これを知る作業は簡単ですが手間がかかります。まずは手巻きの時計が止まってしまうまで放置しましょう。次に、自分のペースで回数を数えながら巻き上げます。そして、巻けなくなったときの巻き上げ回数を記録しておきましょう。これを2、3回繰り返して、その腕時計を自分で巻き上げるのに必要な回数を割り出しましょう。実際に使う時は、判明した巻き上げ回数から2回ほど少なく巻き上げるようにすれば、うっかりゼンマイを切ってしまうリスクを減らすことができます。
手巻き腕時計を止まらせない
ついでに、最大限巻き上げてからどれくらい稼働するかも知っておきましょう。例えば、30回巻き上げて36時間動く腕時計の場合、半日その時計を使った後はおおむね10回程度巻き上げると再度巻き止まりまで巻き上げることができるはずです。いつも80%から90%程度の巻き上げ状態を保てると、使用している最中に止まってしまうことも、精度がぶれることもないでしょう。
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公開日 | 2018年1月17日 |
著者 | watchjournal-admin |
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