腕時計のケースに使われていた定番の素材

腕時計のケースに使われていた定番の素材

腕時計のケースに使われていた定番の素材

今ではあまり使われなくなってしまったものの、以前は腕時計で頻繁に用いられていた素材について紹介します。

金めっき

腕時計はその登場からつい最近まで、高級品のひとつとして扱われてきました。その価格に見合う素材として、貴金属が採用されることが多く、宝飾品と見紛う腕時計もたくさん作られました。一旦高級品としての需要が満たされると、普及価格の腕時計の開発が進みました。その際、一番効果的に用いられたのが「金めっき」の技術かもしれません。真鍮などをベースにケースを作り、その表面を金などの貴金属でめっきすることで、美しさと丈夫さを両立させました。めっきはその厚みによって価格が上下します。金めっきは安物、というイメージもありますが、分厚いめっきを施された腕時計は数十年を経ても美しい輝きを放っており、金無垢素材のものより強度があるため、実用性の点では優れた素材であるといえるでしょう。金めっきはゴールドプレーテッド(GP)という呼び方もあります。

金張り

めっきと混同しがちですが、金張りは薄く伸ばした金を他の金属に圧着したものです。昨今あまり見かけなくなりましたが、金めっきよりも金色が薄くなりにくいことや、加工に電力が必要ではないことなどから、好んで使われた時代や地域もあったようです。めっきに比べるとかなり厚めに金を施すので、経済性を追求する場合には向かない手法かもしれません。金張りはゴールドフィルド(GF)と呼ばれます。

銀は懐中時計の時代には盛んに用いられた素材です。金と同様、硬度に劣る素材なので、現代ではあまり用いられることがありません。輝きはステンレスともプラチナとも異なる、鮮やかなものです。酸化することで黒ずんでくるので、常にクロスなどで磨き上げる必要があります。加工のしやすさを考慮すると、もっと使われても良い金属ではありますが、他の金属の加工技術が進んだ現代ではその必要もないようです。

今ではほとんどみられませんが、銅を使った時計もありました。銅は美しい赤色が特徴ですが、経年変化でくすみが発生し、参加が進むと緑色に変化します。銅も金や銀と同様、柔らかい金属なので、落下や衝撃は厳禁です。また、金属アレルギーを起こしやすいため、肌に触れる部分には金めっきを施すなど工夫が必要です。

プラスチック

機械式時計の成熟期には、プラスチックを使用した腕時計も数多く作られました。またクォーツが登場した後、価格が下がった後にもプラスチック素材の腕時計が沢山登場しています。さらに、軍事用に使い捨ての腕時計が開発されると、その素材としてプラスチックが用いられたこともあります。現在でもSwatchなどで積極的に採用されています。樹脂なので加工もしやすく、色のバリエーションも自由自在ですが、紫外線で経年劣化が進みやすいなど耐久性に乏しい素材のため、高級腕時計では使われることの少ない素材です。

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公開日2018年1月4日
著者watchjournal-admin

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