腕時計ユーザーからみたApple Watch
第2の衝撃
1960年代にクォーツが登場したとき、時計業界は大きく揺れました。それは、新しい技術への期待感と、既存のノウハウや商品が無価値になってしまうことへの恐怖が入り混じったものだったと推量します。それから50年以上が経過し、再び時計業界を揺るがすプロダクトが登場しました。それがApple社の「Apple Watch」です。
Apple Watchの顧客
「Watch」を名乗ってはいるものの、その機能は腕時計を遥かに凌駕しており、5万円前後という求めやすい価格もあって、スマホに慣れた世代を中心にヒット商品となりました。また、これまで腕時計をしていなかった層にも受け入れられました。
第4世代の完成度
Apple Watch以前にも同様のガジェットはたくさん販売されていましたが、満を持してのApple製品ということもあり、前述のような時計業界の反応につながりました。とはいえ、発売直後に実際に手にとったユーザーからは「惜しいところがある」という評価が多かったように思います。それでもApple Watchは毎年のように改良を重ね、2018年時点で第4世代となり、大きく進化しました。本体の薄型化に加え、画面の角を丸くするなど、よりウェアラブルデバイスとしてのクオリティを高めることに成功したのです。多くのユーザーから「今回は人に勧められそう」との声も聞かれるようになったので、腕時計ユーザーである筆者も購入してみました。
既存のウェアラブルデバイスとの違い
なお、これまでにもいくつか同様のガジェットを試したことがあります。SONYのSmartWatchや、運動量の管理に特化したウェアラブルデバイスなどです。これらと比べたときに感じる一番の違いは「高級感」の一言に尽きます。
スポーティなデザイン
ウェアラブルデバイスは常に身につけること考えると、どうしてもスポーティな仕様になってしまします。これまでに購入したウェアラブルデバイスも、防水性能や一度の充電で稼働する時間を基準に選び、いつも身につけられることを目指しました。しかし、当然のことではあるのですが、カジュアルやスポーツよりの格好でなければ違和感がありました。これは腕時計ユーザーならではの感覚かもしれません。
高級感
一方でApple Watchですが、一番スポーティなNikeモデルを選んだにもかかわらず、想像していた以上の高級感があります。これは表面加工の上手さやデザインの良さだけではなく、すでに「スーツにApple Watchはおかしくない」という常識が醸成されていたからだと思います。
安価
一方で、Apple Watchは5万円前後で販売されており、ブランド腕時計に比べると遥かに安い価格なので、気軽に身につけることができます。初めて身につけた直後は電子機器や精密機器ならではの怖さが多少ありましたが、実は国産クォーツの中堅ライン程度の価格である、と気がついてからは気にせず使えるようになりました。
装着感の良さ
特筆すべきはその軽さと、装着感の良さです。長年使ったヴィンテージの時計のように収まりが良く、「手に馴染む」という言葉が一番しっくりきます。これは筆者の腕周りに合わせて、小さい方のサイズ(40mm)を選んだことも要因だと考えます。
満足感
機能的には前述したように腕時計以上のことがいくらでもできます。子供の頃はテレビや映画の中でしかみられなかった「腕時計で通話」ができたり(実際にはやりませんが)、様々な情報が腕時計の画面から得られる度に「買ってよかった」と思わせてくれます。
通知機能
重要な機能である通知機能は、ともすると追いかけられているように感じる人も多いのか、多くのアプリがApple Watchでの通知機能を外したり、アプリそのもの提供を終了したりしています。どちらかといえば、もう一つの重要な機能、体調の管理や運動量の管理が中心になっていくのかもしれません。
腕時計ユーザーの希望
これでは腕時計の存在価値が全くなくなってしまうように感じますが、すでに腕時計が「時間を見る」という役割から脱却しており、違う存在意義を与えられていることはみなさんご存知のとおりです。腕時計はApple Watchと「機能」を競っているわけではなく、どちらかといえば「腕時計をつける場所」を争う形になっているはずです。腕時計もApple Watchもいいところがありますが、できれば腕時計のようなものを2つもつけたくはありません。SONYの「wena wrist」のように、普通の腕時計にスマートウォッチの機能を追加できる方向で進化してくれると、腕時計ユーザーとしては嬉しいかぎりです。
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記事のメタ情報
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公開日 | 2018年12月30日 |
著者 | watchjournal-admin |
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