銀製の腕時計
銀の時計
懐中時計が主流だった時代には、銀製のケースや鎖がたくさん作られていました。しかし昨今販売される腕時計では、銀を素材として使うことは珍しくなってしまいました。銀には独特の美しい輝きがありますので、アクセサリーや食器、硬貨などにたくさん使われてきた歴史があります。そんな銀の特徴についてまとめました。
銀の価値
銀は貴金属ではありますが、その埋蔵量が金やプラチナなどに比べて多いので、実用品などの素材として多く用いられます。埋蔵量が多いといっても、鉄などのより産出量の多い金属とは比較にならないほど高価です。鉄の買い取り価格は1kg(1,000g)で100円に満たないですが、銀の買取価格は1gで50円以上です。つまり1kg(1,000g)では50,000円となり、鉄の500倍の価格で取引されていることがわかります。
銀の性質
銀は加工性に優れます。硬さもありながら、市販の工具で加工できるくらいには柔らかく、よく伸びるので、細かい細工が求められるアクセサリーなどにも適しています。また、熱伝導性や電気伝導性も抜群に高く、その特性を活かした道具などもたくさん作られています。
銀の反射率
銀のもっとも優れた特性はその反射性です。光(厳密には可視光)のほとんどを反射する性質を持ち、その反射率は金属のなかで最大です。輝きが求められるあらゆる道具で用いられ、特にアクセサリーや硬貨ではその性質が活かされています。
銀の弱点
このように優れた性質をたくさん備えた銀ですが、唯一の欠点は「黒く変色する」ことです。銀のサビ、とも思われがちですが、一般的な金属のサビとは異なります。空気中の酸素と反応して見た目が悪くなったり性質が変わったりする金属は多いですが、銀は空気中ではほとんど酸化しません。そのかわり、空気中の二酸化硫黄や硫化水素と反応して硫化銀を形成します。これが銀の黒変の原因です。黒変くなると美しさが損なわれますが、この黒変を意図的に作り、デザインに取り入れる手法も確立しています。
輝きを維持するには
銀の輝きを保ちたい場合、銀製品を手に入れた瞬間から硫化銀との戦いは始まっています。使用毎に、また使用していなくとも定期的に磨かなければ、銀の輝きは維持することができません。これは銀製の腕時計でも同じです。また、前述のように銀は柔らかいので、落としたり打ち付けたりしないように気をつけましょう。もっとも、これは腕時計の扱いの注意点と同じですので、銀製だから、というわけではありません。
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公開日 | 2018年2月22日 |
著者 | watchjournal-admin |
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